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自画自計

散文歌


永遠は続く
あんなに欲しいと願った 孤独とか 明日とか差し引いても 欲しかった 選べるものから選んだ 訳じゃない 全部あったとしても 満たせない物 そして時というやつが流れて 手の中を あの時を見つめて どうして欲しかったのかと 永遠はない 終わりはある だから せめて 終わるまで 永遠であってほしい 疑いもせずに 手に入らないものばかり 輝やいている 触れなかったものだけが 綺麗なままで 時間のせいじゃない 僕が汚している 僕の言葉で 僕の仕草で 触れすぎたせいで いっそ 無くしてしまえば 綺麗に輝き続けるの 傷つけては 縫い合わせるような日々だけど 永遠はない 終わりはある それでも 隣で笑う君をみると 何も終わらせられない 終われない
yuji
6 時間前


ジェリーフィッシュ
ミシン目で繋ぎ止めていた心の隅を 柔らかい手つきでもぎ取られていく チケットを握らされ 証拠を握られる 振り返る僕 出口も入口も見失う 満たされた水槽 同じ景色を泳ぐ人並み 見つめて見つめられて それだけを許し合って ここは 撮影禁止って書いてあるだけ 愛し方と愛され方が 触れたがっている ジェリーフィッシュ 硝子越しに見た誘惑 白さも突き抜けて 何も求めぬ失色の美しさ 水槽を眺めている 独り言を繰り返している ジェリーフィッシュ 時々泳いだふりをする 誰かの影が邪魔をして 隠し事が増えていく もう硝子をなぞりながら 水槽ごと掴みかけている
yuji
5 日前


守るべきもの
また約束を 自分との約束をひとつやぶった どうせ何も変わらないと 未来ごとゴミ箱へ 眠ることさえ 何のために目を閉じるのかと どうせ使い捨ての今日 二度と戻らない今日 君を悲しませていい理由なんて どこにもなかった 君の優しさに付け込んだ 自分が嫌いになっただけ そんなわがままで 君へサヨナラを口にしました 君は何も言わず 何も聞かず ただうなずくだけでした 拝啓 春の風はやさしいですね 君に偶然出会えそうな気がします 今、僕の横にいる人は 少しわがままだけど よく笑う子でね 毎日が慌ただしくて 手におえない時もあるけど いとおしく思えてね 相変わらずの僕だけど 君が言葉にしなかった約束 それだけは守りたくて 君はときどき 僕に会いに来るけど 僕も君に 会いに行けているでしょうか 春の風に吹かれているでしょうか あの時 去ったつもりの僕だけど 置いていかれたのは 僕で 守るべきものを 残していった君へ
yuji
4月22日


夜の約束
指に飾る宝石 過去の恋を付けたり外したり あの日の約束を ため息で飾ったくすり指 一人のほうが楽だからって 言ってみたけど 恋意外に何をすればいいのか 分からない 悲しい時ばかり 決意をしてきた ほずれた糸を ちぎっては またほどけていく 私の決意 約束の傷跡だけが残る 指先に 包帯を当てる仕草で また指輪を 守りたいものは 守れないもの あなたとした 夜の約束 「また明日ね」を 待っている オーダーメイドした 指先だから 私はまだ あなたに抱かれている
yuji
4月18日


始発
運ばれていく 勇気じゃない方の道へ 選んだはずの道は 逃げ道って書いてある そんなふうに 朝が来るまで夜を使い続けた 遮断機の音に 慣れきった僕らの踏切 つり革につかまった僕の未練 高架下に捨てるつもりだったけど 改札の中にまで連れてきて 結局、今日を生きる理由にしている 左に消えていく街の景色 右目で後追いする僕の気持ち 恋の終着駅 そんなお洒落な駅 見たくない 降りたくもない 始発にゆれる僕は 君との始まりだけを 降りられずにいる
yuji
4月11日


二時間半の私
こんな朝になることは分かっていた それでも昨日を逃げるように今日にした 汚れた部屋の隅を ただ見つめるだけで 分かりすぎて ごめんねって思う 少しうまくいっていた 恋だとか夢だとか 積まれた本の 最初をめくってばかりで 見とれてるだけの私は 映画館の通路側 どことなく他人事な 二時間半の私 「帰りたくない」って 言えばよかった 言わせてほしかった 「寂しい」って 思えばよかった 不自由になればよかった えっ 綺麗でしょ? 心に刺さらない映画の私 ちゃんとエンドロールが流れている
yuji
4月6日
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