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自画自計

散文歌


マーブル模様
人生がコーヒーだとして 君がやっぱりミルクで 僕の表面を音を立てず滑らかに進んでくる 渦を巻くように 心に回り込んでくる 優しく正しさを失い マーブル模様を描く 好きと伝えただけなのに君に欲張りを教えてしまう 不安を確かめるように 熱を帯びていく指先 熱を感じれば感じるほど 唇で閉じ込めようとする 僕の部屋に君の気配が溶けて 夜の湿度を変えていく そうやってキャラメル色に染まっていく 甘さいっぱいの苦さか 苦さいっぱいの甘さなのか 求め合えば合うほど どちらでも構わない 二度と黒と白には戻らない そして戻れない 苦さにおびえる僕と 甘さにおびえ始める君 人生がコーヒーだとして 君がやっぱりミルクで 独り占めしたくて 君を濁らせてしまう
yuji
16 時間前


サクセス
けだるい朝だった いつもの朝だった どんな朝を迎えても 最初に心の声がやってくる おしゃべりする暇はない 無視をして家を飛び出す ベルが鳴るホームへ駆け上がり 閉まりかけの防犯扉に滑り込む 気分はスパイ映画の脱走シーン 今日のミッションをクリアして 後は満員電車の他人に身を任せる 疑いもせず ためらいもせず 心の声に隙を与えないように 耳をふさぐように雑音を集める まだ未来はいくらでもあるからって 心の声を黙らせながら生きてきた 面接官に長所と短所を聞かれた 長所は自分を誤魔化せること 短所は自分を誤魔化していること さあ、面接官よ どう思う 俺は合格か不合格か
yuji
6 日前


恋人の顔をして
今日も悲劇が画面の中で音を立てている 「なぜ」で「どうして」をかき混ぜるように 私の今日は昨日見たニュースの記憶程度で 「なぜ」が「どうして」を「どうでもいい」にして こんなに幸せでいいのかな 幸せすぎて怖いぐらい そんなセリフの後に事件が起きる ドラマの場面 もう怖くないでしょ 幸せじゃないでしょ 安心でしょ 愛は見えますか 涙は隠せますか テレビは消せますか 恋人の顔をして 恋人の名で呼んで そして抱きしめて もう何度目の「好き」のフレーズ それでも求めてしまう おねがい もう一度言って
yuji
5月19日


マジックアワー
画面の45度を狙う 魔法に見えない魔法で 仕方なさそうに 魔法にかかるテレビがあった アンテナを伸ばして 右へ左へと振り回して 空を飛びまわる 君の声を捕まえる電話があった どうだい 魔法みたいな今日はあるかい おとぎ話 みたいな恋に触れているかい 今日僕が唱えた呪文で まだ明日を変えられるの 胸に手を当てて 呼吸を感じたのはいつの事だろう 悲しみを振り払う魔法は分からないけど 夢を見る魔法なら枕元にいつも用意している そんなことしか言ってあげれないけど 赤い糸をたぐるように 君の腰に手を回す
yuji
5月14日


リバース クロック
時計の針が逆回転する時計がある 金星ですら逆に回ってる空の下で 何の役にもたたない星空を眺めてしまう 乗り込んだ車体にブレーキはない 本命と宿命を乗り違えたとしても 胸のハンドルひとつで回り込んでいく 正義を気取って投げつけた言葉が 誰かに隠れた私の背中を そっと 正しさのナイフで刺してくる リバース クロック 鏡に映った逆向きの私が真実で 見せたい私が息苦しくて 愛の告白 口にすれば楽になれるの 嫌いな私が ほら 一番許せなくて 一番欲しくて
yuji
5月9日


永遠は続く
あんなに欲しいと願った 孤独とか 明日とか差し引いても 欲しかった 選べるものから選んだ 訳じゃない 全部あったとしても 満たせない物 そして時というやつが流れて 手の中を あの時を見つめて どうして欲しかったのかと 永遠はない 終わりはある だから せめて 終わるまで 永遠であってほしい 疑いもせずに 手に入らないものばかり 輝やいている 触れなかったものだけが 綺麗なままで 時間のせいじゃない 僕が汚している 僕の言葉で 僕の仕草で 触れすぎたせいで いっそ 無くしてしまえば 綺麗に輝き続けるの 傷つけては 縫い合わせるような日々だけど 永遠はない 終わりはある それでも 隣で笑う君をみると 何も終わらせられない 終われない
yuji
5月4日
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