三日月の少し前
- yuji
- 5月6日
- 読了時間: 1分
今夜を惜しむように
違う明日を拒むように
無抵抗に寄り添う二人たち
つないだ手は
解かれると知りながら
シンデレラの掟すら
書き換えるようとする二人たち
反対の空に浮かぶ月は
まだ三日月になれずに
その名を探している
どこからが恋人なのか
ためらいを隠さずに
恋人のしぐさを探している
映しだせない想いを
温もりだけでしか
伝えられない二人たち
人の歴史は解き明かせずとも
恋の行方を知りたがる街角で
星の歴史ごと止めようと
その場を離れられずにいる二人たち
夜空を持てあます月が
まだ三日月になれずに
その名を探している
言葉はまだ歌になれず
もどかしさの吐息が
歌い方を探している
Comments